数理物質科学専攻 数理科学コース  田中研究室(最適化理論,オペレーションズ・リサーチ)
グラフとネットワーク理論 (110S1039) (Graph and Network Theory)
使用教科書: 福島雅夫著,「数理計画入門」(朝倉書店)
ISBN-10: 4254209754, ISBN-13: 978-4254209754


[1]配布資料と学習内容
  1. 講義案内と授業予定(10/4)
  2. 配布資料[1](10/4)
    一次関数(線形関数)の一般式,内積の一次式表現(線形形式), 一次方程式(超平面)と一次不等式(半空間), Cauchy-Schwarzの不等式,連立一次不等式の内積による解釈, 数理計画問題と線形計画問題の内積による一次式表現
    次回(10/11)は,内積を利用して不等式領域(半空間)を図示する問題について小テストを行います。
  3. 線形計画法とシンプレックス法
    (1) 線形計画問題における基底解と最適解 (2) スラック変数と剰余変数 (3) 実行可能基底解 (4) シンプレックス法 (途中まで)
    10/11, 10/18 線形計画法とシンプレックス法を学習します。 また,教科書の第2章の23頁〜30頁までに対応しています。 上の配布資料に概要をまとめています。
  4. 2段階シンプレックス法
    (1) シンプレックス法 (2) 2段階法
    11/25 にシンプレックス法を一通り学習しました。 11/1 には,等式制約の場合にどうやってシンプレックス法を実行するかを学習しました。 教科書の第2章の37頁〜41頁までに対応しています。
  5. 11/1 の授業では, シンプレックスの復習と等式制約の場合の解き方が2通りある ことの注意を行いました。変数の少ないときに, 当てはめて求める方法が可能であることを示しましたが, 通常は,2段階解法で求めます。
    まず,制約式に人為変数を導入して, 目的関数をその人為変数の和とする問題をシンプレックス法で解き, 元の問題に実行可能基底解があるかどうか調べます。 その後,得られた係数を利用して元の問題のシンプレックス法を実行します。
    次回に,確認テストを行います。
  6. 2段階法
    等式制約の条件の線形計画問題をシンプレックス法で解く場合には, 最初に実行可能基底解をうまく見つける必要が あります。もちろん,連立方程式のランクをみて,適当な列ベクトルの組み合わせで基底を構成し, 右辺のベクトルをその基底のベクトルの一次結合で表現することでも可能です。
    しかし,計算機で自動的に計算させるには,あまりいい方法ではありません。そのときには, スラック変数で単位行列を構成した方法と同じように,人為変数を使って,人工的に基底行列を 構成します。すると,本来等式であった式の左辺にさらに非負の変数を追加するので, 最初の変数をすべて非基底変数(零とする)して,人為変数だけを右辺の値にすれば, 人為変数そのものが基底変数になります。
    そこで,目的関数をその人為変数の和の関数に置き換えて最小化問題を解くことを最初に考えます。 このとき,もし元々最初の連立方程式に実行可能解があれば,人為変数はそもそもいらなかったので, 新しく作った最小化問題(人為変数の和)はゼロになるはずです。 もし,ゼロにならない最小値となったら,最初の問題には実行可能解が ひとつもないことになり,「解なし」と判定すればよいでしょう。また,人為変数の和がゼロになれば, そのSTOPしたときの表に現れる,人為変数以外の係数の組が元の問題の実行可能基底解を表しています。 (※この辺は,教科書にも同じことが書かれていますので,よく読んでみてください。)
    そして,実行可能基底解が見つかったら,目的関数を元の関数に戻して,掃き出し法を行い, 基底変数に対する目的関数の係数をゼロにするように掃き出し法を続け,判定項が現れるようにして シンプレックス法を行えばよいのです。
  7. 11/15の授業では,双対問題について説明しました。 授業の最後に,簡単な確認テストを行いました。次回(11/22)は,中間試験です。
  8. 中間試験(11/22)
    次の事項の到達度を見ます。
    1. 線形計画問題の標準形とその双対問題を行列とベクトルで記述できること。
    2. 連立一次不等式の内積による解釈でき,線形計画問題の実行可能集合を領域として描いて最適解と最適値を 直感的に求められること。
    3. 簡単な線形計画問題を2段階シンプレックス法で解けること。
    4. 具体的な線形計画問題の双対問題が記述できること。
  9. 次回の授業では,ネットワーク計画に入り,ダイクストラ法について説明しています。

[2]確認問題(確認テスト)
  1. 確認テスト[1]その解答(10/11)
    内積を利用して不等式領域(半空間)を図示する問題
  2. 確認テスト[2]その解答(10/18)
    線形計画問題の基底解と実行可能基底解の作り方と考え方に関する問題
  3. 確認テスト[3](11/1)
    不等式制約の線形計画問題をシンプレックス法で解く問題
  4. 確認テスト[4](11/8)
    等式制約の線形計画問題を2段階シンプレックス法で解く問題
  5. 確認テスト[5](11/15)
    線形計画問題の双対問題を記述する問題
  6. 確認テスト[6](12/13)
    有効グラフ上のネットワークに関する最短路問題について,ダイクストラ法を用いて解く問題

[3]関連リンク
  1. 数理計画法パッケージ NUOPT
    株式会社「数理システム」で開発・販売されている数理計画ソフトウェアの ホームページでは,学生版のダウンロードが可能です。
  2. 数式処理・数式モデル設計環境 Maple (メイプル)
    株式会社「サイバネットシステム」で販売されている数式処理ソフトウェアの ホームページでは,Maplesoft社の数式処理ソフトMapleの概要と 事例を見ることができます。
  3. The Pacific Optimization Research Activity Group
    太平洋最適化研究活動団体(POP)のホームページでは, 太平洋地区での最適化関連の活動情報が見れます。
  4. (社)日本オペレーションズ・リサーチ学会
    日本OR学会のホームページでは, 日本でのオペレーションズ・リサーチ(OR)関係の活動情報が見れます。

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新潟大学大学院自然科学研究科数理物質科学専攻 数理科学コース
E-mail: prtana@gs.niigata-u.ac.jp