田中研究室　授業用ページデジタル表現論(140S1017) DTP課題１のヒント

DTP課題１のヒント

最初に，骨組みです。 \documentclass{jarticle} と \begin{document} 及び \end{document} は最低限必要です。ただ，このまま保存してコンパイルしてもdviファイルは出力されずに表示されません。ですが，この形が基本の骨組みです。次に，プリアンブルを完成させましょう。表題の部分にあたる題名，著者名などを入力する形で，\title{ } ，\author{ } に与えましょう。その後，\begin{document} の直後に，\maketitle を指定しておきましょう。そうすると，コンパイルした後に，表題が表示されたdviファイルが出力されます。
- プリアンブルで指定する表題の要素：\title{}，\author{}などの中で，援助への謝辞や著者の住所などを脚注に出力するために，\thanks{}コマンドを利用すると便利です。本文の中では，\footnote コマンドを使いますが，題名などには \thanks コマンドになります。次のものをそのまま使ってみましょう。
  例
  \title{\bf 教育実習における配布資料\thanks{
  この資料は，平成23年に母校の高等学校での教育実習において配布されたものである。}}
  ※\thanks コマンドの後ろで改行されていますが，通常は大丈夫です。もし心配なら，行末に % をつけてコメントアウトしても良いでしょう。( \thanks{% )

次に，本文です。大きく分けて，２つの章立てになっています。「数学A---集合の表し方」と「数学C---行列とその応用」の２つの章をつくりましょう。
- 本文の中では，\section{}コマンドを使用しています。dashも---で出力しています。
- 第１章では，enumerate環境とitemize環境を使い，基本どおり \item を使っています。その前後では，通常の文章を段落を分けずに入力しています。
- 第２章では，enumerate環境の \item のかわりに \item[(a)] 等としています。
- 下線（アンダーライン）を引く際には，\underline{}を使って，その文字を{}の中に入れると出力されます。
- 集合のブレース { と } を出力するには，配布資料後半の12ページにあるように，このような特殊文字の場合は，\ を先頭につける必要があります。
- 行内の数式（文中数式）を入力するには，$ と $ で囲むか，その代わりに，$ と $ で囲みましょう。独立させて，中央揃えにしたい場合（独立数式）には，\[ と \] で囲むか，その代わりに，$$ と $$ で囲みましょう。囲まれた内側の環境は，数式に便利な環境となり，スペースは無視され， 「数式モード」という特別な環境となります。もちろんこれらは，元々次の形で定義されていますので，
  \begin{math} ... \end{math} （インラインの場合；文中数式）
  
  \begin{displaymath} ... \end{displaymath} （ディスプレイの場合；独立数式）
  と入力しても同じ出力が得られます。
- 行列などの配列を作成するには，通常の場合はtabular環境ですが，数式の場合は，数式モードの中でarray環境を利用しましょう。配布資料前半のtabular環境を参考にするとよいでしょう。
  第1引数には，各列の文字の配列指定を表す文字を１つ指定します。各列の配置を中央ぞろえにする場合は，センタリング(centering) を意味する，c を指定し，右揃えにするならば，rightを意味する，r を指定し，左揃えにするならば，leftを意味する，l を指定すればよいでしょう。第1列を左寄せ(l)，第2列を右寄せ(r)にする場合は，{lr}としましょう。例えば，{rccc} となっていれば，4列あって，最初の1列目だけが右寄せで，後は中央ぞろえを意味します。 2行2列の行列ですべての列を中央揃えにしたければ，
  \begin{array}{cc}a&b\\c&d\end{array}
  と記述すればよいでしょう。行列らしく，次のように適当な改行や空白を入れて見やすくしても一行に書いた上のものと同じ意味になります。
  
  \begin{array}{cc}
  
  a & b \\
  
  c & d
  
  \end{array}
  
  ここで，& 記号は，列の区切りを表し，行の区切りは \\ で表します。従って，最後の行には通常は \\ は付けてはいけません。エラーになります。
- ただし，このままでは行列のカッコがでません。そこで，そのarray環境全体を \left( と\right) で囲むと，この\leftコマンドと\rightコマンドが区切り記号(delimiter)として働き，はさまれた数式に合わせて両側の丸カッコ（パーレン）を大きくしてくれます。 \leftコマンドと\rightコマンドは，必ず対になっていなければなりませんので，どちらか一方を省略したい時は，省略する側のコマンドにピリオド(.)を指定しましょう。例えば，左カッコはあるが，右カッコが必要ないときは，\left( ... \right.という具合です。この区切り記号は，丸カッコ以外でも利用できます。例えば，集合の記号を表す，ブレス（中カッコ）でも \left\{ や \right\} とすると表示されます。
- 三角関数などもコマンドとして用意されています。sin を表示させるには，\sin とすればよいでしょう。この場合でも数式モードの中に書くことを忘れてはいけません。
- 分数を表示させるには，\fracコマンドを利用して，例えば，3分の２を表示させるには \frac{2}{3} とすればよいでしょう。最初の引数に分子，次の引数に分母の値という具合です。

\begin{array}{cc}
a & b	\\
c & d
\end{array}